結局、シンプルな思考が最強なのかもしれない
15年近く前の話ですが
某大学の上川さん(仮名・男性)は彫刻科出身で、彫刻作品を作りながら助手をされていました。
私は受講生で、わりと仲良くしてもらっていて
工具とか貸してもらっていました。
助手は任期があり、最長4年ぐらいです。
4年がすぎたら追い出されます。
私 「上川さんは、助手が終わったら何するんですか?」
上川 「うーん・・・・どうしようかな~。」
私 「就活するんですよね?行きたい会社とか無いんですか?」
上川 「いや、俺サラリーマンとかできないし。」
私 「・・・・・・・(言い切ったよ、おい)。」
その後、なぜか上川氏の任期は伸び(適切な人材がいなかったらしい)
任期後も数年勤めながら、美術系予備校で講師を務め
そして現在、某大学で助教授だか教授になったらしい
作品もぼちぼち売れていて、賞も多数受賞という輝かしい業績を残したらしい(だから助教授になれたんだが)
マジか?!
上川氏は悪い人ではないんですが
うーん・・・・・ちょっとゆるい感じの、『他人に厳しく、自分に甘いタイプ』だったので
神様、理不尽じゃない?!
と、この時ばかりは思いました。
「私だってそうなりたいのに~っ!! うらやましいよぉお~!!!」
上川氏のシンプルな考えが良かったんですかね?
「彫刻しかできない。」
「サラリーマンは俺には無理。」
「海賊王に俺はなる。」
さらに付け加えると、上川氏の作品は、1つのモチーフをずーーーーーっと使ってる感じなんですね
例えるならば、ずっと海の絵描いてるラッセンみたいな感じです
最近の作品は、かなり高度な技術で洗練された感じになっていて
「あー売れるだろうなー。」って思いました。
あちこち色々やらないで、大好きな1つのモチーフを突き詰めたのも良かったのか・・・・
やっぱり悔しい。
そういえばこんなことも言っていました
「満たされてないと制作できないんだよねー」
彼は常に自分の好きな事、楽しいことをしていたように思えます。
やはり
「良い気分でいる」
「自分はどうしたいか」
「何が好きか」
が明確な人は強いようです